ALL TIME SUPER BEST(DELUX EDITION)(DVD付)

前にも書きましたが私は音楽はアルバム単位で感じる人なので、BESTというのは評価の対象外になってしまいます。それぞれの曲がBESTの為に作られたわけではないので。ですが今回あえて取り上げたのは、BOOWYという存在が氷室京介布袋寅泰にとってあまりにも大きく、そして特別の中の特別だった為10年以上も触れてこなかったBOOWYの曲を、ボーカルではない布袋が公式アルバムに収録した、と言う”事件”が起きたからです。LIVEで歌う事はごく稀でしたが確かにありました。でも個人的にその「布袋がBOOWYの曲のボーカルをアルバムでやる」という事は非常に微妙で、布袋はきっとわかっていると思うのですが、やはりBOOWYの曲のボーカル部分は全て氷室の為に存在している(注:一部布袋ボーカルもあり)神聖な場所であり、そこに足を踏み入れる事はそれが布袋であれできないと少なくとも私は感じていたからです。
そんな複雑な気持ちで、でもドキドキしながらレコードの針を(気分だけ)落してみると、、ゾクッとするほどあのカリカリでソリッドで布袋でしかありえないリフが流れてきました。そしてそのアレンジ、そのボーカルを聴くと確かに布袋のBAD Feelingがそこにありました。このアルバムはBOOWYではなく布袋のアルバムなのです。布袋はそれをハッキリとさせるためにもこの曲を収録したんだと感じました。正直いまだに違和感はあります。が、これはBOOWYではない布袋の別の曲として完成度の高い仕上がりになっているし、布袋の性格からしてこれ以上他の曲をアレンジしなおす事は近い将来ないと思うので、"布袋の活動25周年のスペシャルな曲”としてこれを受け入れたいと思います。例えばCOMPLEXの BE MY BABYにも似たような事が言え、”生まれ変わった”のではなく”布袋の世界の”BE MY BABYがそこにはあります。元々布袋の曲であるそれ以外の多くのアレンジ曲は”その曲が持っていたもう一つの顔”をきちんと見せており、単なるBESTではない事が感じられます。そういう意味で後半のオリジナルのまま収録された曲の存在が微妙で、どうせならば全てアレンジ曲で占めて欲しかった所です。素晴らしい曲はまだまだあるのですから。
BOOWYは好きだったけどソロは聞かない、と言う人は結構いるのでそんな人がどう感じるのか非常に気になるBESTアルバムです。
12/20-27's song : BE MY BABY / 布袋寅泰

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