One Way Ticket to Hell & Back

バンドと言う形態をとっていれば、ギターであれベースであれどんなパートにもそのバンドにしかないオリジナリティがあり、どれ一つとして欠かせないものですが、ボーカルはその影響力が非常に強く、最悪の場合そのボーカルが自分の趣味に合わないから聴かないという事まで起きてしまいます。そのリスクを負う事は本人達は承知の上としか思えない程、その唯一無比のボーカルを持ったバンドがTHE DARKNESSです。そのメロディは非常に聴き易いポップさを持ちながらもあくまで「ハードロック」である事を主張する力強さがある“ど真ん中ストレート”なハードロックバンドです。そこに異常なくらいファルセットを多用したボーカルが乗ることでこのTHE DARKNESSが成立します。しかしそのファルセットの使い道が絶妙で、このアルバムでは 5.Seemed Like A Good Idea At the Time のようなバラードをより感傷的な雰囲気に仕上げます。一転 6.Hazel Eyes ではアップテンポなコーラスにその特徴を使用することでイギリスの高貴なイメージを出す事に成功しいわゆる「Queen的」な曲に仕上がっています。先ほども言いましたが、このアルバムは前作よりも輪をかけて曲のバリエーションが豊かで、続く 7.Bald ではそんな「Queen的」な雰囲気は全く無く、低いボーカルもうまく利用した、硬派でへヴィなギターソングを展開します。個人的にお気に入りなのは スローテンポでありながら絶妙なスピード感があり、そのメロディに哀愁感が漂う 4.Dinner Lady Arms です。このバンドをロックンロールバンドと勘違いしている人にはぜひ聞いてみてほしい曲です。古きよきハードロックを愛する人ならきっとわかる世界でしょう。もちろんロックンロールなDarknessが好きなんだという人には 3.Is It Just Me? 8.Girlfriend そしてシングル曲1.One Way Ticket がその欲求を満たしてくれるはず。
「ハードロック」という一言で表せない素晴らしく幅広い世界をこのアルバムは披露してくれています。その「ハードロック」に少しでも興味があるならたった一曲だけで評価せず、一度一通り聴いて見る事をオススメします。聞かず嫌いは本当にもったいない一枚です。
2/13-2/20's song : English Country Garden / THE DARKNESS
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