包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)

大なり小なり心に傷を持っていない人なんていないと思います。でもその傷は果たして本当に治す事が出来ているのでしょうか。もちろん体の傷だって深いものは消えないわけで、いくら治療しても完全には消えないことはあるかもしれませんが、でも、その場合はきちんと治療をしたりします。一方、心の傷はもっと重要だったりするのに目に見えない分、意外と放って置いてしまうものではないでしょうか。
包帯クラブ」はそんな傷に真剣に向かい合った少年少女の話です。個人的には映画「スタンドバイミー」に似た、ただ懐かしかったり、美しかったりするだけではない、「痛みもあった少年時代の青春」を感じました。
ストーリーだけではなく、(何が、と言う詳細は避けますが)構成も少し凝っていて、ストーリーに立体感を持たせることに成功しています。「長編小説」と書いてありますが、700円代のよくある新書サイズなので割りと短時間で読める事もプラスです。
ちょっと心が疲れた時にはきっと救いになってくれる一冊です。
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