GO! / Fair Warning

Fair Warningと言うバンドはよくありがちなジャンル分けをするとすると”ハードロック”となると思います。しかしこのアルバムの帯には”さあ行こう、感動と出会いに...”との一言が記載されています。そうです。ここまでメロディックでさわやかなハードロックバンドはそうありません。そしてこのGo!と言うアルバムは、その彼らの特徴を過剰とも言えるエコーを効果的に使い、過剰とも言える大げさなくらい感動的なサウンドに仕上げている97年に発売された3rdアルバムです。このバンドはねちっこい声質の絶対的な歌唱力をもつVocal Tommy Heartというキャラクターが特徴の一つでもあるのですが、その旨みを十分味わえる定番的なRockソング1.Angels of heavenで幕は開けられます。そして幻想的なキーボードで始まる2.Save Meも歌い出しがまたその幻想的な世界を立体的にさせ、泣きのギターが重なって完璧なる彼らの世界が繰り広げられます。このバンドは曲順も非常に真面目にセオリー通りに並べてきます。3.All on your ownはロックバラードで聴く耳をしっとりさせます。Rockでも感動的な彼らですからバラードはとことん泣かせてくれます。4.I'll be thereでは若干カントリーな雰囲気を含んだ心地よいRockサウンドです。歌詞が英語でもそのサウンドから我々を元気付けている事がわかる名曲です。7.Follow my heartでは「Morning light is breaking〜」という風景が目の前に広がるような素晴らしいメロディとシンプルなサウンドの歌い出しがこのアルバム後半の始まりを告げてくれます。その「自然と人生」を照らし合わせた世界をもったRockをさらに濃厚にした8.River of Loveが次に続き、同じようなテーマを9.somewhereでは一点軽い(とは言っても感動が詰まっている)曲でホッとさせてくれます。そろそろハードな曲も聴きたくなる11曲目にSailing Homeと言うギター色の強い、それでもやっぱりポップさを持った曲を、そして最後は2曲続けてしっとりとしたバラード風な曲でこの世界を閉じていきます。このように、ハードロックと言うジャンルを超えた、人をメロディで元気付けてくれるようなオリジナルなサウンドを持ったFairWarningは、そしてその感動度が最も高いGo!というアルバムは一度聴いてしまったら手放す事の出来ない秘宝のようなアルバムです。
9/26-10/2's song : I'll be there / Fair Warning
ゴー!