初秋 / 浜田省吾

邦楽と洋楽と比べた時に一番の違いは四季感ではないかと私は思います。多くの場合1年間における四季感をメロディや歌詞にとり入れるのですが、この「初秋」に込められた意味はそれだけではなく人生の「初秋」を意味しています。浜省が、人生を長く過ごしてきたからこそ生まれてきた曲達を、もう一度アレンジしなおし、歌い直した成熟のバラードアルバムです。ジャケットはそのアルバムのカラーをよく表しますが、女の子と犬が夕暮れの河原で遠くを見ているこのアルバムのジャケット程その言葉に値するものはありません。1.君に捧げるlove song のみ新曲です。この曲はPOPながらも実は(たぶん)長く連れ添った奥さんを亡くしてしまった主人公がコレから強く生きていくという非常にせつなくも力強い曲です。もしかしたら11.星の指輪 の中で久々に二人だけで夜のデートに出かけた夫婦の後日談なのかもしれません。こちらもPOPでさわやかな名曲です。7.GIVE ME ONE MORE CHNACE は忙しく孤独に働いていて、周りの人に傷をつけてばかりいる主人公が、そんな自分を救ってくれる運命の人を歌った甘いLoveSong。こんな小説の一部のような世界がこのアルバムにはたっぷり詰まっています。秋の夜長にゆっくりと静かに聴いてみてください。
10/11-10/18's song : 星の指輪 / 浜田省吾
初秋 Early Autumn