Matter of Life & Death (Snys) / IRON MAIDEN

初めてIRON MAIDENを知る人にとっては、ジャケットにも良く使われる“エディ”と呼ばれるガイコツのイメージキャラクターから引いてしまう人もいるかもしれません。でも実際その音を聞いてみると彼らほど「聴きやすい、わかりやすいHeavy Metal」をプレイしているバンドはいない事がわかると思います。しかもその“エディ”の印象とは全く別方向のキーワードである“メロディアス”や“ポップ”という要素も持っている点も彼ら特徴で、極端な話、Heavy Metalをまだ聞いたことのない人には一番オススメのバンドとも言えるでしょう。
そんなIRON MAIDENのNewAlbumである「Matter of Life & Death (Snys)」の国内版が9月6日に発売されました。私は発売日まで待ちきれず、先行して発売された輸入版を購入しました。最近の国内版に多いボーナストラックが無かったのも大きいです。彼らは様式美を非常に重要にするのできっとボーナストラックを入れることでその世界観が崩れる事を嫌ったのでしょう。そこがIRON MAIDENらしいところでもあり、それは音楽性にも現れています。
今回のアルバムはまさにその集大成とも言える内容で、とにかくある特徴のあるフレーズを何回も何回も繰り返し、いい意味で“ねちっこい”曲が多いです。全体的にダークな世界観(といっても重いわけではなく、日本語で言うと“せつなさ”や“悲しさ”に近い意味の“ダーク”です)で統一されていますが、その繰り返しがより聴く側の内面へえぐるように響いてきます。ですからアルバムを聴けば聴くほどその味わいは深くなっていき、まさに“するめ”のようなアルバムとも言えるでしょう。(正直最初に聞いたときは「確かにMaidenらしい曲やフレーズが多いけどなんか物足りないかも・・。」と感じました。)
あまりに統一感があるため、あるオススメの曲はなにか?と聴かれると少し困ってしまうのですが、どの曲もドラマチックでスピード感のある今までのIRON MAIDENの姿を完全に踏襲しているので、IRON MEIDENが好きな方が裏切られたと思うことは無いと思います。IRON MEIDEN初心者にオススメな「Seventh Son of a Seventh Son」が持っているような明るさはそこにはありませんが、このアルバムに入れることは不可能でしょう。それほど完璧な世界観がそこにあるのです。もちろん私も明るさの典型である「Can I play with madness」も大好きですが。
この「Matter of Life & Death (Snys)」はIron Maidenファンであればあるほどその味が判る良作です。何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も聴いてその味を楽しんでください。
9/10-9/16's song :Brighter than a thousand suns / IRON MAIDEN
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